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定型から外れる豊かさ [ポップ/ロック]

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リリースからだいぶ経ちましたが、ディランの新作「Rough and Rowdy Ways」も聴いてます。
最初聴いた時は、地味だなぁと思いましたね。
1曲目から静かな曲で、ブルースっぽいミディアム~スローな曲ばかりだったし、アップテンポなのはこれもブルースな「Goodbye Jimmy Reed」くらいだもんね。特に僕はアップテンポな方が断然好きな音楽ファンなので。

でもこれが意外にも何度も聴いてしまう。
一曲目からして、ここしばらく続いたアメリカン・スタンダード風な曲で、ブルース・ベースな曲にしても、コード構成など微妙にセオリー通りじゃないというか。ディランのソングライターとしての底力を感じました。
「Goodbye Jimmy Reed」にしても普通の12小節のブルースみたいなんだけど、最後ブレイクした後の拍がちょっとずれますよね。12小節じゃない。こういうところに、なんというか定型から外れる音楽の豊かさを感じるんですよ。

ロバート・ジョンソンでもジョン・リーでもきっちり12小節じゃなかったりするでしょ。その時の気分で自由なところ。そういうのをこの新作からは感じますね。
定型が決まる前の音楽の雑多な感じのしっぽにディランはまだ繋がってるような気がします。

古い写真に彩色したものだというこのジャケも良し。
中止になった来日公演、いつか実現した折にはここから演奏される曲もあるでしょう。その時を待ちたい。

そうだ17分に及ぶ「Murder Most Foul」について。最初聴いた時はピアノを弾いてるのはディラン自身かなと思ったけど、曲ごとのクレジットはないけれど、おそらくアラン・パスクァでしょう。他にピアノが入ってる曲はないみたいだし。
クジレットを見て一番意外だったのが、この人だった。ジャズ・ピアニストと知られ、昨年のピーター・アースキンらとの「3 Nights in L.A.」は良いアルバムでした。なんでこの人がと思ったら、調べてみると、70年代後半ディランのバンドにいたんですね。キーボードで。初来日の時も。40年以上も経ってまたディランに呼ばれたんですねぇ。本人としても感慨深いものがったでしょうね。

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Deathproofについて [ひとりごと]

アフロビーツっていうとこのGigi Atlantisって娘が妙に引っかかるんですよね。
前のシングルも良かったけど、この新曲もクールで良い。

EPでいいからもう少しまとめてリリースしてほしい。

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Where Do We Go From Hereについて [ひとりごと]

メイシオ・パーカーの新作「Soul Food: Cooking With Maceo」のせいで、ダンプスタファンクの新作はまだかなぁと思ってたら、キターーー!!
シングルがリリースされましたよ。
もうすぐ新作がリリースされるようで、アルバムのタイトル・トラックだそう。

8分半もあるのたうつヘビー・ファンク・チューン。
今年一番のファンク・アルバムになること間違いなしの新作が待ち遠しい。

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王道のデューリー&ブロックヘッズ印のファンク:I Believe [Ten More Turnips from the Tip] [イアン・デューリー]

では「Ten More Turnips from the Tip」の全曲レビューを始めましょう。
曲順ではなくて、録音時期の古いセッションごとにいきます。まずは91年のセッションによる録音を元にデューリーのヴォーカル以外は新たにレコーディングし直した3曲から。
このセッションのオリジナル音源は後に「The Bus Driver's Prayer & Other Stories」のボーナス・トラックとしてリリースされました。

ここではバックの演奏は新録音なんですが、前作「Mr LOVE PANTS」からドラムがディラン・ハウに、サックスがジラド・アツモンに変わってます。
今日は2曲目の「I Believe」を取り上げます。
この曲はミッキー・ギャラガーとの共作で典型的なデューリー&ブロックヘッズ印のファンク・ナンバーですね。イントロに配されたカリンバやゴキゴキいってるクラヴィネット?、ギター・リフもセンス良し。ブリッジの後のギターのキメにその後のフルートを配した間奏など、アレンジも旨すぎる!

歌詞もシンプルに「I Beleive~」と繰り返すなんとも素朴なユーモアにほのぼのする。

信じているのは 空き瓶ポスト 中から出てくる美しさ
信じているのは お礼の挨拶 肌で感じる涼やかさ
信じているのは すこやか散歩 足に与える強壮剤
信じているのは まじめな話 食えればそれで万々歳

そういうことを信じてる 素朴な感じはするけれど
信じてるよ サンタクロース 与えることは受け取ること
そういうことを信じてる


歌詞対訳は邦盤(対訳:丹 美継)から引用しました。
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マイ・フェイヴァリットNo.2かも? [イアン・デューリー]

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「MR LOVE PANTS」の全曲のレヴューが済んで、とりあえずあのアルバムに関しては思いのたけはすべて吐き出したので、続いて、2002年のアルバム「Ten More Turnips From The Tip」についても記しておきましょう。
「MR LOVE PANTS」がマイ・フェイヴァリットNo.1とするなら、こちらはNo.2かもしれません。1~2フィニッシュでイアン・デューリーなんですよね。

デューリーは2000年3月27日に癌で亡くなりました。
その2年後にブロックヘッズによって完成されたのがこのアルバムです。
本作に収録された曲は4つに分けることができます。録音の古い順に言うと

1.91年のセッションによる録音を元にデューリーのヴォーカル以外は新たにレコーディングし直したもの(3曲)
2.前作「MR LOVE PANTS」から漏れた曲(2曲)
3.デューリーが生前最後に残した曲(3曲)
4.デューリーが残したものの録音は叶わなかった曲(2曲)

この4種です。
録音時期はバラバラながらひとつのアルバムとしてのまとまりもしっかりあって、遺作の定義は基本的には生前最後の作品なんでしょうが、本作は亡くなって2年後にリリースされた作品ながら、遺作と呼ぶにふさわしい素晴らしいアルバムだと思います。

タイトルはターニップはカブの事ですが、慣用句みたいなものなんでしょうか。「ごみの中からガラクタを10個」と、ブロックヘッズの面々が考えたんでしょうが、デューリーらしいユーモアのあるタイトルです。

本作も何回聴いたかわからないくらいの大好きな作品なので、これからじっくり語っていきたいと思います。
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Dance Like Nobody's Watchingについて [Astral's AM Playlist]

ティナーシェがラッパー、イギー・アゼリアとシングル「Dance Like Nobody's Watching」をリリースしました。ナイスなブギーで気分も上がる。

こういうのほんと好きだなぁ。

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Apple Music Playlist 2020.09.23 [Astral's AM Playlist]

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Slave:Show Time
スティーヴ・アーリントンの新作をチラッと聴いたらなかなか良さげだったのだけれど、そもそも彼が在籍していたSlaveを全然聴いたことない。というわけでソロの前にこの81年作を。のっけから重量級ファンク炸裂。ぶっといベースに悶絶。スローは一曲くらいで、こんなグレイトなファンク・アルバムを聴かずして、ファンクが好きとか言ってた自分が恥ずかしい。オハイオ・ファンク恐るべし。名盤です。
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Apple Music Playlist 2020.09.22 [Astral's AM Playlist]

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Brian Lynch / Eddie Palmieri Project:Simpatico
最近は音楽聞くよりも本を読んでることが多いんですが。ブライアン・リンチ・オーケストラの昨年のグラミー作は改めて良いアルバムでした。あれ以降これだっていうラテン・ジャズ作に出会えないので余計そう思います。連休最後の夜は仕方なくこのエディー・パルミエリとの双頭プロジェクトの2011年作を聴いてます。当時はブラアン・リンチにあまり興味がなくて聴いてなかったんですね。そんなわけで二人ががっぷり四つに組んだゴリゴリの肉食系ラテン・ジャズ作かと思ってたんですけど、ロマンチックなボレーロもあってマチート楽団を思い出す。歌謡サルサもありで硬軟自在な力作です。
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「Mr LOVE PANTS」全曲レビューを終えて [イアン・デューリー]

そんなわけで、「Mr LOVE PANTS」全曲レビューを終えて、改めて俺ってこのアルバムほんと好きだなぁと思いましたね。世界でこのアルバムを一番聴いてるのは間違いなく自分だと自負しています。

そうそうここまで毎日の食事や日用品のごとく生活に密着している音楽ってのもないなと思います。歯を磨いたり、服を着たり食事をしたりといった行為と同様に聴いてるわけですから。よっぽど自分にフィットする音楽なんでしょうね。そういう音楽に出会えたことをほんと幸運に思いますよ。

曲以外の事についても記しておこう。
このジャケット。いいですよね。
犬がパンツはいてる。このふざけた感じ好きです。
それにブックレットもいい感じのアートワークで、ほんと文句の付けどころのない完璧なアルバムです。

僕はリマスターとかあまり興味がないので、ほとんど買い直すことってないんですけど、2015年にリマスター盤が出て、それは買いました。といってもようやく昨年ですけど。アナログも数年前に出たんですけど、これを機にそっちも買おっかなぁと思ってます。

97年のアルバムなのでリマスターしてもそれほど変わりません。
プラケースだったのがブック形式になりました。新たにライナーノートが追加されてるんですけど、全然読んでなかったけど、拾い読みしてみると制作時のこととか書いてあるので、今度ちゃんと読んでみよう。

1曲「Mash It Up Harry」のリミックス・ヴァージョンがはいってます。
97年当時シングル・リリースされて、そこに収録されていたレゲエにファンク風味が加えられてます。まぁまぁです。

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カラリとしたレゲエな10曲目:Mash It Up Harry [Mr LOVE PANTS] [イアン・デューリー]

さてついにたどり着きましたラスト・ナンバーは「Mash It Up Harry」。
この曲は何の変哲もないレゲエで、カラリとライトな風味が気持ち良い。

歌詞はなんのことを歌ってるのかよくわかりません。

あいつは チンケなYシャツに
 チンケなベスト着て
髪にチンケな分け目をつけている
チンケなズボンに チンケな靴
で 例のところに
 ウェンブリーが少し欲しいんだと

何か・誰かを揶揄してるかもしれないけど、よくわかりません。
最後はバンド・メンバーみんなで

今まさに みんなでウェンブリーに行くところ

と歌って大合唱で大団円。

曲がフェイド・アウトしてしばらくすると、犬の鳴き声が聞こえて、これはなんなんでしょう。犬の鳴き声のあいまにデューリーが
Next Piece, This title, Skin(?), Bark, Real Simple
とか言ってます。ジャケに引っ掛けたシャレでしょうか。
そして、犬をあやして、お座りとか言って、最後に小さな声で
Thank You
これを聴くといつもこんな最高なアルバムを作ってくれて、こっちがサンキューだよ!と思う私なのでした。

歌詞対訳は邦盤(訳:丹 美継)から引用しました。
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