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グアテマラのシンガーによる汎アメリカ歌謡集 [ラテン]

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グアテマラのシンガー・ソングライター、ガビー・モレノとヴァン・ダイク・パークスのコラボ作「¡Spangled!」が素晴らしい。
全然知らない歌手でしたけど、アルバム冒頭に収められた「Across the Borderline」をYoutubeで見つけて聴き惚れてしまった。サウス・オブ・ボーダーの風景が思い浮かぶこの曲はライ・クーダーの曲で、ここではジャクソン・ブラウンとのデュエットで二人の歌唱もとっても良いですけど、ヴァン・ダイク・パークスのこのオーケストレーションはもう筆舌に尽くしがたく、すごい。

僕はヴァン・ダイク・パークスの「ソングサイクル」をその昔聴いただけで、あんまりよくわからず未だにそのままなんですけど、この人はブルースとかカントリーとかじゃないもっとクラシックよりのアメリカのルーツというか所謂アメリカーナを表現しようとしている人ですよね。フォスターとかから連なる系譜?いや実際そんな聴いたことないんですけど。

このアルバムは汎アメリカ歌謡を歌いつづったアルバムのようで、「Across the Borderline」は合衆国、他にぼくが知っているのはデヴィッド・ラダーの「The Immigrants」。デヴィッド・ラダーを知ってるだけですけど。ブックレットには詳しく記してあってパナマ、ベネズエラ、ペルー、ブラジルなど、正直このアルバムの奥深さを解説するのは僕の手に余りますけど。

歌とアレンジに耳を澄まして聴くだけでも楽しいアルバムです。
そう同じようなアルバムとして思い出すのはカエターノ・ヴェローゾの「粋な男」。あのアルバムを思い出します。あのアルバムではジャキス・モレンバウムのアレンジが重要な役割を果たしてました。
それとこのようなアルバムを作るのは現在の合衆国政府による移民政策に対するメッセージでもあるんでしょうね。

ガビー・モレノの歌唱は癖のないディクションのはっきりしたもので、だれでも好感が持てるはず。そこかしこで聴かれるガビー自身による多重録音によるコーラスもとってもチャーミング。曲目の良さ、歌とアレンジの素晴らしさといい、本年度屈指の歌謡アルバムですよ。

ジャクソンって歌手としても魅力的な声を持ってますよね。それに作者のライ自身が素晴らしいスライドを披露してます。うーんうっとり。

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