雑多な人種が行きかう街角 [R&B/JAZZ/etc]
こういう感じ久しぶりだな。
アリソン・ミラーというドラマーなんだけど、初めて聴いた名前。
彼女が率いるAllison Miller’s Boom Tic Boomの4作目?かな「Glitter Wolf」。
一時期ニューヨークのダウンタウン派というかロフト・ジャズから連なるミュージシャン群を良く聴いていた。ヘンリー・スレッギルやマーティ・アーリックとかね。
そのアーリックとの作品もあるピアノのマイラ・メルフォードが参加していることから聴いてみたんだけど、ロフト・ジャズの伝統?に連なるアヴァンな雰囲気がプンプンします。
自身のドラムにベース、ピアノ、フロントはクラリネット、コルネットにヴァイオリンという一風変わったセクステット。
一曲目からやはりメルフォードのピアノが強烈に耳をひく。もちろんそれを申し分なくグルーヴさせるアリソンのドラミングも強烈。パワフルですな。
そしてクラリネットが戦前ジャズ~クレツマーの薫りを載せてくるかと思えば、ヴァイオリンはクラシックからブルーグラスまで。
アリソンの作曲能力も高く、大道芸っぽい雰囲気やどこかユーモアを漂わせたなんちゃってガムランやアフリカンな曲調はドン・チェリーを想起させる。なんちゃってというのはあくまでニューヨーカーな風情が漂うのが魅力的だから。
かつてのフリー・ジャズみたいに行ったきり?にならずにアンサンブルのまとまりを重視しているのが今な感じ。
なんか雑多な人種が行きかうニューヨークの街角に立っているような気分になる。
ブルーノートじゃなくピット・インが似合いそうな快作。来日しないかなぁ。