Today's choice 2019.02.18 [Today's choice]
先日取り上げたアレシャンドラ・ジャクソンがイヴァン本人を迎えてカバーしていたので、ひさしぶりに今夜はイヴァンの代表作である「Somos Todos Iguais Esta Noite」を。邦題は「今宵楽しく」。原題もそういう意味なんでしょうか。
僕がブラジル音楽に興味を持ったばかりの頃、良く聴いたアルバムです。イヴァン以外を聴くところまでブラジル音楽にのめり込みはしなかったんだけど。
でも本作を初めて聴いた時の、鮮烈な驚きは忘れられません。冒頭のメドレーのめまいのするようなメロディの躍動に今聴いても心躍りますね。
メロディ・メイカーとしてはほんと破格の人ですよね。改めてブラジル音楽のメロディ感覚の新鮮さに驚きと不思議さに思い馳せてしまう。
Apple Music Playlist 2019.01.17 [映画]
Apple Music Playlist 2019.02.16 [Astral's AM Playlist]
元祖ブギーの姉御の華麗なる帰還 [R&B/JAZZ/etc]
本日リリースのチャカ・カーンの11年ぶりの新作「Hello Happiness」。
前作は聴いてない。でもこれはいいんじゃない。
昨年のシングル「Like Suger」が最高だったので期待してた。今年に入ってからのタイトル曲も良かったし。
チャカってザ・シンガーな人なせいなのかライブ活動ほどにはアルバム制作には熱心じゃないですよね。
さすがにチャカだけに今流行りのトラップ風味なんてことはありません。今回はイギリス人によるプロデュースでノーザン・ソウルの伝統があるからなのか、ディスコを現代的に解釈した、っていうかこれもひとつの流行りですけど、今言うところのブギー路線ですね。うねるベース・ラインが快感です。
チャカは80年代以降はあまり時代と上手くハマった活動をしてこなかった印象がありますけど、今回は結構ハマってるんじゃないでしょうか。
ブルーノ・マーズが80’s路線でヒットを飛ばしたり、マーク・ロンソンとかあのあたりの感じと直結する気がする。っていうかチャカがそういう音楽の元祖であるわけで。
なにげにラテン・ファンクな「Like A Lady」に悶絶し、キャバレーR&B?「Too Hot」のどすこいな歌声に痺れ、ダビーな「Isn't That Enough」の酩酊感にほろ酔い。たった7曲、30分に満たない短さですけど、ギュッと密度の濃い仕上がりに文句なんてありません。まぁ1曲くらいメロウなバラードがあっても良かったけどね。快作ですよ。
元祖ブギーの女王。いや姉御の華麗なる帰還と言いたい。
それにしてももういい年だよねチャカって。でも声が全然衰えてない。
楽器としての声の強靭さに恐れ入ります。
これダウンロード購入したんですけど、800円なんですよ。
すっごい短いとはいえ、やっすいなぁ。シングル「Like Suger」を購入していたせいで、550円でした。CDの半額以下なので、こうなるともう迷いなくダウンロード購入になっちゃいますね。
WOWについて [ひとりごと]
キング・オブ・R&Bって自分で言っちゃうジャクイースの最近公開された「WOW」。いいね。
これはシングルとかじゃないのかな。
Dreezyのアルバムでも歌ってたのをよく聴いてたせいか、昨年のデビュー作はピンとこなかったけど、多分今聴いたら好きになりそう。
これはシングルとかじゃないのかな。
Dreezyのアルバムでも歌ってたのをよく聴いてたせいか、昨年のデビュー作はピンとこなかったけど、多分今聴いたら好きになりそう。
Apple Music Playlist 2019.02.13 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2019.02.12 [Astral's AM Playlist]
Apple Music Playlist 2019.02.11 [Astral's AM Playlist]
ブラジル音楽への清々しい敬意 [R&B/JAZZ/etc]
アトランタ出身のシンガー、アレシャンドラ・ジャクソンの「LEGACY & ALCHEMY」はブラジル音楽へアプローチした2枚組の大作。詳しいことは知りません。ジャケからすると30歳前後?かな。だとすればそれなりのキャリアがあると思いますけど、他にアルバムは見当たらない。多分クラブとかを中心に活動するシンガーだと思う。CDをiTunesに取り込むとジャンルはジャズになるので、まぁ基本はそういうとこにあるんでしょう。
本作は一曲目のロー・ボルジェスの曲のイントロからしてアコギのカッティングにエレピだし、音楽的には所謂ブラジリアン・ジャズ・フュージョン。こういうのって多分いっぱいあると思いますけど、僕はほとんど聴いたことない。ウェイン・ショーターがミルトン・ナシメントとやったのとかも聴いたことない。
このアルバムは参加メンバーがすごい豪勢で、ゲストもアル・ジャロウ、イヴァン・リンス、カルリーニョス・ブラウン、故イヴォニ・ララなど、バックの演奏もブラジルとアメリカの腕利きのそろい踏み。ただ最近の若手じゃなくて、それぞれのレジェンド・ミュージシャンって感じかな。
そのせいもあり若干コンサバティブではあるけど、ジョビンはじめブラジル音楽の超有名曲が素直に正攻法で歌い演奏されていて気持ち良く聴き通せる。
時にはThe Bossa Nova Noites Orquestraと冠された管弦オーケストラも入り、録音も素晴らしくよろしく丁寧に紡がれた音がひたすら心地よい。
ジョビンの曲は息子&孫ジョビンを迎え、イヴォニ・ララを迎えたサンバはストレートにエスコーラ系でにっこり。「コルコヴァード」はオーケストラ入りの豪勢な演奏をバックにわざわざ「クワイエット・ナイツ」からのマイルスのソロまで引用している。
MPB系はあまり馴染みがないけど、冒頭のロー・ボルジェスからシコ・ブアルキ、ジルベルト・ジル、イヴァン・リンスなどまぁ有名曲ばっかりなんでしょう。
ラムゼイ・ルイスの「Brasilica」などブラジル音楽以外の選曲もあり、「Our Time Now」は作者のロッド・テンパートン本人を迎えている。テンパートンは2016年に亡くなっているので、本作はかなり時間をかけて制作されたようです。丁寧にじっくりと製作されたことが音の端々から伝わってくる。これだけ完成度が高ければ、新味はなくとも文句はない。とにかく聴いててひたすら心地よいのです。
アレシャンドラの歌について全く触れてませんでした。ふくよかな温もりを感じさせる中低音域がくっきりとしたサウンドの中で映える。ピッチのしっかりした声量を感じさせる落ち着いた歌声は、好き嫌いなく誰の耳にも馴染むことでしょう。
きっともっと暖かくなった春から初夏にかけての風薫る季節の方がよく似合う音楽かもしれない。もちろんそれまで寝かせておくつもりはないけど、ブラジル音楽への清々しい敬意に溢れた秀作です。