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我らが人生に手向ける歌 [ブラジル]

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サンバをよく聴いた1年でしたから最後もサンバで。
今年一番感激したアルバム「Meninos Do Rio」にも参加していたジャイール・ド・カヴァキーニョの2002年のアルバム。2006年に83歳で亡くなっているので、遺作になります。

ポルテーラのサンビスタでしたから、モナルコの先輩ってことになりますね。ポルテーラのアルバムは何枚かあるのでそこでの録音はありますけど、単独アルバムはこれ1枚かもしれない。エスコーラ系のサンバに心酔したマリーザ・モンチのレーベルからのリリース。

「Meninos Do Rio」に参加していた人の中ではもっとも素朴な歌を聴かせていた人で、素朴と言えば聴こえは良いけど、要は素人丸出しなヘロヘロな歌でして。でもこれがまた良いんですよ。味わい深いったらありゃしない。

全曲自作。サンビスタとしての長い人生の中で残した名曲でしょうか。ジャケでも誇らしげにつま弾く名前の由来となったカヴァキーニョ。

こういうエスコーラ系のサンバには新しい言葉を見つけるのが難しい。
特別なことは何もしてないから。でも裏返せばすべてが特別な輝きを放っているともいえるわけです。僕らの人生一つひとつが特別なように。

そんな我らが人生に手向ける歌が詰まったアルバム。またひとつ宝物が増えました。

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