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カルテットで燃えるブレーメンの夜 [R&B/JAZZ/etc]

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最近やたらとウディ・ショウの未発表ライブがリリースされる。
ショウの息子が主導しているみたいで、ちょうど昨年の今頃、82年1月ハンブルグでの「At Onkel Po's Carnegie Hall」が、今年に入ってからは81年の東京での「TOKYO '81」が出た。

前者は激熱最高スリリングなショウのライブとしては屈指のアルバムだったし、東京でのライブは同じクインテットなので悪いわけはないんだけど、選曲がややおとなしめで音の方もラジオのエアチェック・テープを聴いてるような感じでちょっと不満もありましたけど、2枚ともあらためてこの時期のウディ・ショウのグループのクオリティの高さを見せつける素晴らしい発掘音源でした。

つい最近出たのが83年のブレーメンでの2枚組「Live In Bremen 1983」。
上掲2作と違うのがこちらはカルテットなんですね。ショウは基本クインテットで演奏するのが常なので珍しい。というかなぜかここではトロンボーンのスティーヴ・トゥーリがいないんですね。何か事情があったのか、既にグループを離れていたのか定かではありませんが。

ただここではその一人抜けた穴を4人が一丸となって埋めようとするかのように、より一層熱く燃え上がるような演奏を聴かせてくれます。

ショウのラッパは絶頂期だけに、幕開けは「YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC」で瀟洒に始まるけれど、続く「RAHSAAN’S RUN」で既にアクセル全開。いやもうすごい勢いで吹きまくってます。やっぱショウのトランペットは爽快だわ。
「400 Years Ago Tomorrow」は、82年のライブ盤「Master Of The Art」ではトゥーリに加えボビー・ハッチャーソンのヴァイブも涼やかに洒落た出来でしたが、ここでは熱気とスピード感をより素肌で感じるような印象。

この時期のグループの要は、後にアート・ブレイキーのもとで名を上げることになるが、まだほぼ無名であったマルグリュー・ミラー。オーソドックスなジャズ・ピアノの歴史を踏まえていながら、若々しくも力感溢れるプレイで、改めてこんないいピアニストだったっけと瞠目させられます。そのミラーも数年前に亡くなってしまった。

ほとんどの曲が10分を超える長尺ながら2時間弱全くだれることなく目の前で4人が熱演するの目の当たりにするような鮮烈なライブ盤。東京でのライブ盤をパスした方も今回はお聴き逃しなきよう。
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