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傑作になりそこねた復帰作 [ポップ/ロック]

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今朝ラジオからいきなり宇多田ヒカルの「忘却」という例のがっかり曲が流れてきて、あわててラジオを消した。今日リリースだからってなんでよりによってこの曲なんだよ!朝からイライラさせられました。

「ファントーム」ですが、昨日記した通り一回聴いてがーっくりしたんですが、もう一度聴きました。でも二度目は件のラッパー参加曲は途中まで聴いてやっぱり我慢できず飛ばしました。はっきり言ってその曲のせいで残りの2曲はほとんど記憶にも残らないくらいで。

そんなわけで今日はとりあえず件の曲は外してPCに落としてiPodで2回聴いてみました。

一曲目「道」。ちょっと変則的なリズムのR&Bサウンドに乗せて内省的な歌詞が歌われる。例えば「人は皆生きてるんじゃなく生かされてる」とか、ともすればクサく聴こえかねない歌詞もこういうグルーヴ主体の音に乗せて歌われればあまり気にならない。アコギをかき鳴らしながらこんな歌詞、歌われたら聴いてられないもんな。

全体的に内省的な歌詞が簡素ながらリズミカルなグルーヴにのせて歌われるところに僕はカーティス・メイフィールドの「アメリカ・トゥデイ」に似たものを感じました。

「俺の彼女」のジャジーで黒っぽい佇まいも好みだし、ベースがうねる「荒野の狼」はこのアルバムのハイライトかも知れない。うねると言ってあくまでも内省的で、かと言って鬱屈とした表情はない。

「二時間だけのバカンス」は気軽なポップス。改めて自意識の塊のような椎名林檎の歌声は苦手。「ともだち」にもゲストがいるけど、ほんと宇多田ヒカルの声だけを聴いていたかった。
でもこの二人だけだったら目をつむることもできたんだけど。

問題のラッパー参加の「忘却」は自己愛に満ちた自意識の垂れ流しのようなラップとも呼べないラップもどきに嫌悪感しか感じない。

3-4回目に聴いたときはこの曲を外して聴いたとはいえ、アルバム後半にいくにつれ「この曲がなければなぁ」という思いに囚われて、結局楽しめない。言ってみりゃあの曲によってはねた泥水がアルバム全体にかかってしまったように感じてしまう。

普段から好きな曲だけ抜き出して聴く人なら気にならないかもしれないけど、僕はアルバムを一つの作品として聴くからね。このアルバムは特にアルバムとしての一つのまとまりを意識して作られた作品なのは明らかだし、ひとつ一つの曲がアルバムを構成するピースと感じられるから。一曲外してあれをなかったことにできるか?というとやっぱり出来ないな。出来ればよかったんだけど。

そんなわけで4回聴いてこのアルバムには見切りをつけました。聴いてて楽しくならないんだからしょうがないな。聴くたびに憤懣やるかたない気分になりたくないもん。早々に売り飛ばすことにしました。

あーもうほんと残念無念。
今まで全く興味なかった彼女に朝ドラ主題歌で興味を抱き、このアルバムで彼女に出会えるはずだったんだけど。出会いそこなっちゃったかな?また次はあるだろうか?
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としま

僕はデビュー・アルバムの 『First Love』だけ持ってますけど。最初テレビで聴いた処女作の「Automatic」が素晴しかったので、それが入ったアルバムということで買いました。これはかなり良かったなあ。
by としま (2016-09-28 21:53) 

Astral

としまさん

僕は肝心の「First Love」を聴いてないんですよね。
新作を聴いてから聴いてみようと思ってたんですけど。上のような次第ですっかり関心が薄まってしまいましたよ。
by Astral (2016-09-28 22:08) 

としま

いや、『First Love』は曲も粒揃いだし、歌手も宇多田だけで、文句なしですよ。少なくとも僕はそう思います。最初、藤圭子の娘とは知らずに聴いてました。すんごい新人が出てきたなと。特に一曲目の「Automatic」は何度聴いてもいまだに感動しますね。是非!
by としま (2016-09-28 22:12) 

Astral

としまさん

もちろん「Automatic」は大ヒット曲ですから聴いたことはありますよ。アルバムも彼女の最良の作と多くの人が挙げる作品ですし、この気分のほとぼりが醒めた頃に聴いてみようと思います。
by Astral (2016-09-28 22:24) 

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