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永い言い訳 [本]

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長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。

西川 美和 「永い言い訳」。
映画監督としての作品「ゆれる」「ディアドクター」などはとても高く評価している。

読みながらこの人の作品は映画でも何かが足りないといつも感じるのだけど、本作もそう。
物語が収まるところにうまく収まりすぎるというか。読み手に不確かさというかうまく飲み込めない何かを残してくれない。そういうものがないと面白かった、よかっただけで終わってしまう気がする。

本作もとても面白く読んだのは確かなんだけど。
読後感がとてもいい本だけれど、ちょっと簡単に主人公は赦されすぎ?とも感じた。
でも良作なのは確か。ぜひ自身で映画化してほしいな。

「何が」
「自分が高を括っていたものの中に、実は大いなる世界があったんだってことが」
「たかをくくるって?」
「どうせ大したもんじゃねえだろ、って見くびることさ。見えない世界を見ようとしているうちに、見えてるはずの世界を見失ってしまうの。世界の進化なんかより、見えてるものをちゃんと見るほうが、ほんとはむつかしいんだよ」
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