蜩ノ記

重罪を問われて10年後に切腹、それまでに藩史を書き上げるよう命じられた戸田秋谷。切腹が３年後に迫り、監視役となった若き武士・庄三郎は秋谷の人柄や家族の絆に触れ、事件に疑問を抱き始める…。

小泉堯史監督「蜩ノ記」。
先日見た「柘榴坂の仇討」みたいな古き良き日本的美徳を描いた物語かと思ったら、まぁそうなんだけど、予想以上に良かった。役所広司と原田美枝子演じる夫婦による互への信頼がそのまま映画の骨格を支える安定感をとなり、岡田准一と堀北真希がそこに瑞々しさを与える。堀北真希は現代劇だと表情の乏しさが目についてしまうけど、このような時代物だとそのある種の控えめさが良い印象に傾く。
ストーリー的にも主人公の重罪の真相を探っていくとろこなどけっこうスリリング。ラスト・シーンは涙をこらえるのが大変でした。しみじみいい映画だったなぁと思う。
おすすめします。