父の遺産を受け継いで [ラテン・ジャズ]
アルトゥーロ・オファリル&ザ・チコ・オファリル・アフロ・キューバン・ジャズ・オーケストラのライヴ盤「Final Night at Birdland」。父チコが生前ずっと自己のグループを率いてバードランドで定期的に行っていたライブを、父の死後は息子アルトゥーロが受け継ぎずっと活動していた。
タイトル通りバードランドでの最後のステージを収録したライブ盤。演奏曲目は父やマリオ・バウサの曲などお馴染みのキューバン・ジャズ曲。なのに聴いてて熱くなる。
たとえば今ハード・バップをやられてもかなり予定調和的な空気が漂ってしまうのに、ここでの演奏にはそういうところが全くない。やっぱりラテン・ジャズというのはダンス・ミュージックとしての矜持を持ち続けているからなのかな。ジャズ的にアートに振れそうになるところをラテンのリズムがダンスに振り戻してしまうというか。
一聴すれば昔ながらのビッグ・バンド・ラテン・ジャズなれど、よく聴けばちゃんと新しいアイデアや意匠が丁寧に組み込まれ、アップデートされている。おそらく父の残したスコアをじっくり読み込みながら自分なりの解釈やアイデアを取り入れてるのだろう。真摯に伝統を受け継ぎながらもちゃんとそれを前に進めていこうという気概が感じられて清々しい。
親と同じ道を歩むって難しいけど、正攻法に遺産を受け継ぎ発展させていこうとするアルトゥーロはもっと高く評価されていい。充実のライブ盤ですよ。
2013-11-14 23:02
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