ボスの重曹的な奥行きある快作! [ポップ/ロック]
ボスの新作「Wrecking Ball」。。
今回は基本的にソロ・アルバムですね。
Eストリート・バンドのメンバーは数曲しか参加してない。
プロデューサーのロン・アニエロがいい仕事してます。
最近のブレンダン・オブライエンのプロデュースによるグランジ風音作りはうんざりだったので。
90年代以降の音楽的試みがここにきて熟成されていい形で結実してると思う。
歌詞のシリアスな曲ほどメロディの起伏のない重々しい曲調になりがちだったのが、「シーガー・セッション」とかで古いトラディショナルやフォーク・ソングを学んだせいで、シリアスな曲でもくちづさめるような平易なメロディにのせて開放的に歌えるようになった。
ロン・アニエロの用意した音のパレットから様々なループやサンプリングが使われて、それがとって付けたようにならないのも、培ってきたもののおかげ。
どの曲も古いフォーク・ソングやゴスペルに根ざした曲自体の持つ奥行きをアレンジが補完し相乗効果でシンプルだけど重曹的な味わいのある作品になった。
「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス」で思いっきり気張って盛り上げたあとに、カントリー/ブルーグラス調の「ウィー・アー・アライブ」で軽やかに口笛混じりに締めるところなんか今までになかったこと。
ここ数作というか90年代以降では一番いい。
代表作の一枚になったと思う。
マッチョなアメリカン・ロックみたいなイメージしかもってない人にこそ聴いていてもらいたい快作です。
2012-03-07 22:31
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