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コズミック・ソウル最新型サウンド・デザイナー [R&B/JAZZ/etc]

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ちょっと前から気になっていたフライング・ロータス。
昨年の最新作「Cosmogramma」をようやくゲット!
アルバイテンさんによる前作のレヴューパンゲア食堂繁盛記2010年ベストにも選ばれていたので気になりまくりだったのです。

今年のテーマである「違和感」もありまくりか?と思いながら聴いてみると、以外にも結構すんなりと自分の中に入ってきた。正直もっと耳障りで禍々しいのを期待していたので。

アルバイテンさんによれば「一枚目は辛うじてヒップホップに片足を突っ込んでいたけど、今作では完全にスッポ抜けた」という。確かにヒップホップ的グルーブよりベッドルームでパソコンに映った宇宙船と交信しているような、引きこもり的コズミック・グルーヴ感(ってなんだそれ?)の方が強く感じられる。
でも引きこもった末の外界に対する敵意や屈折みたいなものより、星空を夢見るロマンティシズムさえ感じられるところはサン・ラ~Pファンク~URというコズミック・ソウルの系譜の正統的継承者だとはいえる。

確かにこれはブラック・ベッド・ルーム・ミュージックだな。クラブ・ミュージックといってもリスニング系。

ただ特別新しくは感じなかった。過去の音楽をよく知っていて音楽的語彙は豊富だけれど、それを使って新鮮なサウンド・デザインはなされいても、「なんだこれは!」と思うような彼独自の音楽を作り上げているというわけではないから。

もうひとつコズミックといっても多くの人がイメージする宇宙のイメージであって、それはある意味箱庭的でもあるかも。

この音楽の向こうにUSブラック・ミュージックの未来があるのか、これがどん詰まりなのか、僕にはよく分からない。
このフライング・ロータスにはミシェル・ンデゲオチェロと共通する匂いを感じる。
まだ底が見えないからこその魅力。
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コメント 2

アルバイテン

むぅぅ。あまりに的確なレヴューゆえに、もはや同調することしかできません(笑)。特に、引きこもり的コズミック・グルーヴ感ってのが、まったくその通りだと思います。深夜、自宅パソコンの電源を落とした瞬間に、ディスプレイに映る虚ろな自分と対峙したときのような、アシッド・センチメンタリズム(なんじゃ、そりゃ)ですよね。彼の場合、ヒップホップに片足を突っ込んでいるくらいの方が、独自性が際立っていたような気がします。2枚目は、かつてスクエアプッシャーやエイフェックスツインが鳴らした音を、思いっきり黒く染め上げたっていう感じがします。まぁ、好きは好きなんですけど。まだまだ底が見えないからこその魅力ってのも、まったくの同意見です。また機会があれば1枚目も聴いてみてください。Astralさんのレヴューが読みたいですもん。
by アルバイテン (2011-01-21 00:03) 

Astral

アルバイテンさん
見当はずれでないようでよかった。
ちょっと試聴した限りでは1stの方が今の気分に合うのかもしれません。早いとこチェックしたいです。
もちろん本作も気に入ってはいます。
でも、この人には欧米の音楽以外と出会って欲しいなぁ。
by Astral (2011-01-21 22:11) 

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